Digital 2.0がもたらすバンキングビジネス変革の波

バンキングエコシステムにおけるサービスのスマートアグリゲーター

市場参入の障壁が崩れ、新しい革新的なサービスが急増すると、未来型銀行は多種多様な分野のニーズを抱えた大規模な顧客層に対し、総合的なサービスの提供を迫られることになります。 主たる差別化要因として挙げられるのが、金融エコシステムにおけるサービスを集約するアグリゲーション能力です。 たとえば、未来型銀行はフィンテック企業や他行の業界特化型ファンドが提供する資金提供力をうまく採り入れることにより、中小企業顧客層とその資金調達の選択肢をさらに広げることが可能になります (図5参照)。

図5が示すように、未来型銀行はオープンAPIを使用してフィンテックなど専門に特化した企業のサービスを集約し、その管理を自動化するスマートコントラクトを介して融資サービスを提供することができます。

プラットフォームベースの金融商品・サービスのプロバイダー、そしてフロントオフィスからバックオフィスまでデジタル技術に支えられたリーン・オペレーター

急速に進むイノベーション・バンキングサービスを提供する上で求められるアジリティ・顧客/サービスプロバイダ/アプリ開発者コミュニティを巻き込んだ統合したサービスへの高まる需要 - こうした理由から、やがて未来型銀行の業務はプラットフォーム化されていくと推測されます。 あらゆる業務分野でのサービス提供にプラットフォームが利用され、開発プロセスの高速化、事業運営のアジリティの向上、デプロイ・統合のスピードアップが促進されるでしょう。

コスト削減のプレッシャーも、より効率化されたミドル・バックオフィス機能をもたらす要因になるかもしれません。 銀行はプロセスオートメーションやデジタル化を通してルーティンワークにかかる支出を抑え、イノベーションの構想やサービス品質の向上に予算と人員を投入できるようになります。

新規顧客のオンボーディングを例にあげると、新規口座開設は完全にデジタル化されたプラットフォームによるプロセスへ転換することが可能です。ブロックチェーン、AI、RPAを用いて口座開設申請を処理し、リアルタイムでの新規口座開設を可能にします(図6参照)。

図6で示すように、未来型銀行は完全にデジタル化されたリアルタイムのリテールバンキング・プラットフォームを提供します。そのプラットフォームは、AIツール、RPA対応のミドル・バックオフィス機能、ブロックチェーンKYCで実現されるリアルタイムプロセスを活用した新規顧客音ボーディングを処理します。

ビジネス機会をとらえるデータ分析を行うプロセッサー

銀行が顧客の意図やニーズを把握できるよう、ビッグデータを関連する「thick data」(民族学的データや人間行動学的データ)と組み合わせて、顧客グループを詳細に細分化できます。そうすることで、コンバージョン率の向上、パーソナライズされたソリューションデザイン、リアルタイムの意思決定、さらには未然の不正防止を実現します。

たとえば銀行は、位置情報やIoT生成データを使用した支払認証が可能になります。機械学習(ML)ベースの取引行動追跡と組み合わせれば、不正な取引を防止すると同時に正当な取引が不承認となってしまう問題を削減することができるのです(図7参照)。

図7で示すように、未来型銀行はIoT機器から収集したデータを使用して、機械学習や関連するAIアルゴリズムを駆使したインテリジェントな意思決定を実現します。